2014年6月27日金曜日

マクダネル・ダグラス F-101A/C「ブードゥー」その2

 梅雨の長雨どころか、ゲリラ豪雨で地域によっては大変なことになっていますが、皆様お住まいの地域は大丈夫でしょうか。

   F-101の続きです。

 さて、「さばの輪切り」の機首部分につづいて胴体、翼と組んでいくわけですが、今回のF-101にはエンジン本体のパーツは同梱されていませんが、コンプレッサーファン、ノズルはキッチリ胴体に組み込むようになっています。


 例のごとく、ノズル部分はエッチングを丸めて組むようになっています。
 
これが、
こうなって、
ノズル完成です。

 丸める作業自体は簡単です。ディティールのある部分が外側になるように丸棒で丸めますが、後で折り返す突起(ベーンを動かすアクチュエーターでしょうか)の部分が折れないよう丁寧に作業してください。
 なお、説明書の工程9(ノズルの組み立て図)の部品番号「上:B41」と「下:B36」は誤りです。正しくは上がB36、下がB41です。
   
 翼の部分は、主脚とその収納庫を組み込んでから上下を貼り合わせるようになっています。やや複雑ですが、この部分の合いは悪くはありませんので慎重に仮組を行ってください。主脚のホイール部分は半分が脚柱と一体となっています。車輪をはめる際はよくすりあわせてください。私はきつめのまま押し込んだところ、接着剤を流したとたん、車輪が割れてしまいました。

 今回は便利グッズとして、カ○ンズホームで見つけたプラ製のクリップで固定、乾燥させました。小さいサイズのもので、50円ちょっととお安いのでおすすめします。製品によってバネの強さにばらつきがあるようですので、やや強めのものを選ぶとよいでしょう。
固定〜。

 主翼、フラップの後縁は厚みが気になる方は薄く削ってください。

後縁はやや厚め
インテークベーンの内側(胴体との隙間の部分)にエッチングでベーン固定用のエッチングの小パーツ(PE1〜7)を取り付けるようになっていますが、小さく接着部分も少ないため、私は作業中にぽろぽろ落としてしまいました。ここは翼を胴体に組み付け後に取り付けた方がよいでしょう。また、この部分のエッチングは部品の長さが若干短めなようですので、プラ板等で代替したほうがよいかもしれません。

 胴体と翼の接合に特に問題はありません。

 尾翼部分(C16及びC18)は胴体との合いがいまいちです。マクダネル特有のテールブーム部分(B5,B8,B10)は工程7では取り付けず、工程14で尾翼、胴体、テールブームを調整しながら接着した方がスムースに作業できると思います。

 エアブレーキは、ヒケがひどいのでパテで埋めてください。


真鍮線で串うち
増加タンクの取り付けは、接着位置がはっきりしていませんので、私は実機写真を参考にするとともに、タンク側に真鍮線を打って固定しました。

 なお、本キットにはAIM-4空対空ミサイルが付属していますが、F-101A/C型においては搭載及び発射試験は実施されたものの部隊において運用はなされなかったようです。

 完成するとでかいです。スパンはともかく、全長はF-4とほとんど変わりません。
 
 独特のテールブームやサイズからくるものなのか、F-4へと続くデザインが見えるような気がしますね。
 
 不要パーツ(GP3〜5)を見てみると、A/C型ベースに改修を加えた偵察型G/H型も発売されるのでしょうか。パーツの構成からはRFや要撃型のB型も期待できそうです。

  
でかくて、長くてかっこいいです。
資料は世界の傑作機Vol.101(^^)「F-101ブードゥー」、Detail & ScaleのVol.21、Modern Military AircraftのVol.5002等、いろいろありますね。

 
 

  
 


 
 







 

2014年6月5日木曜日

マクダネル・ダグラス F-101A/C 「ブードゥー」その1

 みなさま、暑い日が続いていますが模型作っていますか?
「おまえに言われたくないわ」と言われそうですが、私はボチボチやってます。

 今回はキティホークのバリバリの新製品「F-101A/C ブードゥー」に手をつけているのでご紹介したいと思います。

来ちゃったよ、初ホビーショーだよ。
その前に、今更ですが「静岡ホビーショー2014」に行って参りましたので、その話題を少し。

 新製品情報などは各模型誌の方で詳しくご紹介されますでしょうから、そちらをご参照ください。

 各社、たくさんの新製品を並べているのはもちろんなのですが、業者招待日はともかく、一般公開日はとにかく人が多く、一緒に行った友人は「初日はまあこれだけど、2日目はたいしたことないから」と言っていたものの、一般公開日2日目も初日に勝るとも劣らぬ人出!
 
艦コレ盛り上がってますなー。
地元のタクシーの運転手さんも「今年は異常だね」とおっしゃるくらいのお客様で、図らずも景気回復の一端を垣間見た様な気になりました。

 私はもちろん弊社のフリマという業務で赴きましたので、あまり各社のブースも合同展も見て回ることはできませんでしたが、フリマでたくさんのお客様にお会いし、お話をうかがうことができたことが最大の収穫でした。

  
さすが静岡、おでん屋さんにもタミヤのロゴが。
赤いシャツはうちの社長です。


 また、夜は物産豊富な静岡で美味しいものをたくさんいただきました。
 初日の夜に寄らせていただいたおでん屋さんでは、模型びいきの店員さんに加え、ホビーショーのために遠く北陸、茨城から来られていた方達にお声をかけていただき、楽しいひとときを過ごすことができました。

 ご来店してくださった皆様、お声をかけていただいた皆様、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

ぜかきゆちゃんだ!

飛行機blogなので空母も。かがさんです。




 さて、本題のF-101ですが、これまで有名なところではハセガワの1/72のRF-101、モノグラムの1/48のB型が長らく名作とされてきたようですが、今回のA型、C型は初の本格的なインジェクションキット化と思われます。

 キットは、 グレーで成型された6枚のランナーとクリアーパーツ×1に加えて大小各1枚のデカール、いつものエッチングとい
いつもの大判デカールとエッチング
う構成です。


 機首部と胴体部を別のランナーとするパーツの構成から、B型やRFの発売も期待できそうです。



 さて、今回は説明書に17コマある 作業工程中、5コマ目までの機首部分について説明していきます。

 いつも通り、コクピットから組み立てていきますが、まずシートのヘッドレストの後ろにある射出用レール(と思われます。E25)を忘れないでください。

エッチング+デカールにて表現
計器板の表現は、今回はサイドコンソールはデカールまたはエッチングの選択式、メインの計器板はエッチングにデカールを貼り付ける様指定されています。そこでサイドコンソールもエッチングパーツにデカールを貼り付けてみました。
 
 これまでのミラージュやジャギュアにおけるエッチングのみによる表現に比べて手軽です。物足りない方は、デカール等を参考にスイッチ、セレクターノブなどを追加されるとよりリアルになります。

 前脚はハウジングとともに組んでコクピットと結合、機首左右パーツで挟み込むというキティホークのいつもの構成ですが、今回のF-101では後はめできそうです。
 前脚パーツのE53の中央左右についているのはランディングライトの基部ですので間違って切り取らない様に注意してください。また、オレオの上側(E5)はゲートが大きいので部品を破損しないよう丁寧に切り取ってください。

 機首上部の空中給油プローブは、開閉選択式となりますが閉状態に組まれる方はプローブのパーツ(B18)は不要です。
  また、機首下面のピトー管(A8)は折れやすいので最後に接着したほうがよいでしょう。

 レドーム内にはFCS(火器管制システム)のレーダーアンテナがパーツ化されています。
 レドーム閉状態で組まれる方は、部品E17は取り付けないようにしてください。レドームの合いはわずかに段差ができますので、私はレドームの縁の部分を削って調整しました。

 M4 20mm機関砲の砲口パーツ(A1,A2,A6,A7)は合いがいまいちです。ここに段差があると非常に目立つので 少しずつ削りあわせてください。特に下側(A6,A7)は調整が必要です。
すいません。まだ鯖の輪切り状態です。

 今回はこの辺で。



2014年5月6日火曜日

ノースアメリカンT-6「テキサン」その2

みなさま、こんにちは。

 G.Wはどのようにお過ごしになったでしょうか?
私はずっと仕事で、その合間にT-6の組み立てを進めておりました。

 このキットも、まずはコクピットから組み立てていきます。

 さすがにスケールが1/32とあって、コクピットだけで50以上のパーツから構成されています。

 まず、操縦桿を通常のグリップのものか、円形のものかを選択します。円形のものは英国版の「ハーバード」用の操縦桿のようで、キットの塗装例ではカナダ空軍、南アフリカ空軍、英国空軍の機体に適用されるようです。

 フットペダル(部品D16,15,49,50で構成される≪D-D≫)は部品の接着の向きに注意してください。私はフットペダルの前後を結ぶリンクバーD15とD16をペダルの軸の方に接着してしまい、操縦席フレーム(≪B-B≫、≪C-C≫、≪E-E≫)を接着する際に気づいて切り離して再接着となってしまいました。

 塗装は基本的にインテリアグリーン(ライフカラー番号:UA004 今回は基本的にライフカラーにて塗装しています)で行っています。細部の塗り分けについては説明書におおむね指示されていますが、写真等を見てみると、機体により差違があるようです。またレストア機による違いもあるようですね。今回は、計器板、同バイザー(D26)、ロールバー(D28,29)等を黒(ディープコクピット 番号:UA735 ジャーマングレーをさらに暗くした様な色。ライフカラー「Black」セットに同梱)で、レバーのノブをレッド(LC06)、イエロー(LC03)、右側コンソール(F19)のスイッチ類をホワイト(LC01)で塗りわけました。乾燥後、エナメル系のブラウンを薄めたものでシャドーを入れ、タミヤのウェザリングマスターのP-51用にあったライトグリーンのペーストでハイライトを入れました。また、シルバーでシートや床面にシルバーのはげチョロを入れてみました。

 説明書にはシートベルトの取り付け指示がありませんが、エッチングのものが付属しているので使用しています。クレオスのメタルプライマーを塗布、乾燥させた後、ライトストーン(UA107)でベルト全体を塗装、ベルト中央に走るステッチをフレンチブラウン(UA143)で、金具類をグロスシルバー(LC74)で 塗りわけた後にシートに接着しました。

ピンぼけですがデカールは密着しています。
計器板は、説明書においてはデカール表現とされていますが、腕に覚えのある方はきれいなモールドを活かした塗装仕上げもよいでしょう。デカールは貼りやすいものが付属していますが、モールドが多いためデカール軟化剤を使用しています。

 次にエンジンです。
 
 コクピット同様、エンジンについても補機類やエキゾースト等が再現されています。エンジン本体、クランクケース/プッシュロッド(A7)についてはやや勘合が悪いのですりあわせを丁寧に行った方がよいでしょう。

 エンジンの塗装については、グロスシルバーで本体、グロスガンメタル(LC74)でプッシュロッド、クランクケースをフレンチブルーグレイ(UA141。指定のFS15044は若干暗いと感じたので)で塗装した後、プラグコードをサテンブラック(LC72)、で塗り分け、エナメルのダークブラウン(今回はAKインタラクティブのWASH DARK BROWNを使ってみました)でディティールを際立たせました。
AK便利です。
エキゾーストは長短2種類のものから選択するようになっていますが、私は短いものを選択しました。長いものははっきりとはわからなかったのですが、カナダ空軍仕様のレストア機に装着されていた写真がありました。

  また、エキゾーストの接着位置は小さくわかりにくいと思われるので、仮組を充分に行ってください。エンジンを支える支持架(A24〜27)は細いため取り扱いには注意してください。私は2回も折ってしまいました (T.T)。エンジン支持架(板?)のA14,15,F38は、エンジン側の部分がカウリングに干渉するので、すりあわせした方がよいでしょう。
黒く塗った部分(A14,15。下面のF38も。)を削るとよいです。
エキゾーストの塗装は、バーントブラック(UA736 黒に近い焦げ茶。ライフカラー「Black」セットに同梱)で塗装後、ウェザリングマスターDセットのバーントレッドや同Cセットのガンメタル等で仕上げました。

縛られ中。見えなくなるところは塗ってません(^_^;
  なんとか、胴体を貼り合わせるところまでこぎ着けました。  コクピットやエンジン部と胴体の合いは良好です。ランナーを見てみるとずいぶんとパーツの残りが少なくなっています。武装関連のランナーは別として、パーツの大半がエンジンとコクピット周辺なのです。

 次回、組み立ては完了する予定です。

 


2014年3月27日木曜日

SEPECAT「ジャガー T.2/T.4」その2(訂正あり(^_^;))

 ジャガー、できました。
背景の格納庫は桃カステラの箱

 このキットの最大のポイントは、後部胴体パーツ(A1,A2)の合わせです。

 キットがお手元にある方や、先に発売された単座型を組まれた方はおわかりになると思いますが、後部胴体パーツを正確に合わせないと、胴体前部との勘合が悪くなるだけでなく、脚格納庫(パーツH9,I5,J19,H10,I6,J20)が組み込みにくくなります。また、エンジンカバー(G3,G4)の合いも悪くなります。

 後部胴体パーツは、その形状に基因する歪みがみられるので、先回紹介した様にプラ棒等で補強材を組み込んで修正、接着した際に胴体下面が面一になるようにしてください。修正の作業そのものは簡単です。同じ長さに切り出したプラ棒を柱として胴体パーツの内側にかませるだけです。歪みが無くても、接着面積を考慮すると補強は必須でしょう。

 私はこの辺りをおろそかにしてしまい、後部胴体の下面に段差が生じた上に、エンジンカバーの合いが悪くなってしまい、充分な修正ができませんでした。
 逆にいうと、後部胴体さえしっかり組めれば、修正作業も最小となると思います。

  エンジンカバー(G3,G4)は裏面に型抜きダボがあったり、厚めなのでよくすりあわせを行ってください。

 エッチングは非常に効果的です。特徴あるアドーア・エンジンのアイリス板(PE6,PE7)も丸めてノズルの中に押し込むだけです。説明書には、丸めた後でアイリスを曲げる様に指示されていますが、丸めてそのままノズル(パーツG20)に入れるだけで良い感じに内側に密着してくれます。(以下のパラグラフが訂正部分です)

 と書いたものの、後ですぐに気づいたのですが、これではアフターバーナー全開時のノズルになってしまいます。駐機状態でアイリスは閉じていますので、エッチングを丸めた後、ノズルのパーツに組み込む前にアイリスの部分を互い違いに曲げてください。これをノズルに入れるとできあがりです。
 実機の状況について確認不足でした。この点について、当blogをお読みくださった方々を混乱させてしまったのではないかと猛省しております。

アイリスを互い違いに曲げて・・・
ノズルに入れるとできあがり。

 各種アンテナ類もエッチングパーツとなっているのですが、一部のパーツ(PE15,PE27)は、接着面が少ないのでPカッターなどでプラパーツ側の接着面をけがいてから接着するとよいでしょう。

本当は地上でスポイラーは立ってません。
主翼の横操縦用のスポイラー、境界層制御板もエッチングです。こちらはガイドがしっかりしており接着は簡単です。なお、なお翼の前後縁フラップはダウン状態がデフォルトになっています。なお、AAMを装備したい方は境界層制御板(PE17)は取り付けないようにしてください。その他の対地兵器等を装備する際は主翼下面パーツ(H1,H2)を接着する前にパイロン用の穴を開けるのを忘れないでください。

 練習機型の本機は、機関砲は左舷に1門のみの装備ですので、右側の機関砲点検パネル(I24)は閉じた方がよいでしょう。

不整地飛行場用の立派な御御足
  脚周りも細かいパーツ割り(片側でパーツ数11)で再現されていますが、強度は充分です。また、細いステー類(前脚I40,I43,I47,I62,I63等)が多数ありますが、接着する場所が今ひとつ明確でないので、仮組を充分に行ってください。脚は大型で目立つ部分でもありますので、シャープさを目指す方は金属線で作り直すとグッドです。
  キャノピーは適度に薄く、透明度も高いものが付属しています。前後席ともにエッチングのバックミラーがついています。光学照準器の形状(J45,B21)は良いのですが、リフレクター(GP7,GP8)が若干厚いので薄く削るか、透明プラ板で作り直すとよいでしょう。
 なお、機首側面にあるピトー管(I61)は左右に取り付ける様になっていますが、パーツが一つしか付属しておりませんので、気になる方は自作してください。

 本キットは、飛行機モデル初心者の方には、工作が難しい部分もあるかもしれませんが、完成すると非常に実感の高いものとなります。普段から精力的に制作されているモデラーの皆様はもちろん、中級を目指す方たちにとってはステップアップのよい教材となるでしょう!

 ぜひ、お手にとってみてください。

※資料
 Aeroguide Vol.2 SEPECAT Jaguar GR Mk.1
 In Action 1197 SEPECAT Jaguar
 ぐらいでしょうか。意外と資料に乏しい機体です。


※不要パーツ
 B28,EE9,10,E16-19,E26-35,E40-43,F1,F2-4,F7,F8,F11,F12,F13,F15-24,F41,
G11,G12,G14,G17,G24,G25,I22,I23,J33,J43,J46



2014年3月15日土曜日

SEPECAT「ジャガー T.2/T.4」その1


皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 しばらく更新を怠ってしまい、当blogを訪問してくださった方たちにはご迷惑をおかけしました。

 さて、本日はキティホークから新発売の1/48 SPECAT ジャガー T.1/T.4をご紹介します。
 
 このトライカラーのイカした練習機は、ジャガーの英空軍練習機型です。実機は73年に配備が開始され、20数年の長きにわたって運用されましたが、2006年までには全機が退役しました。

 キティホークは、この機体がお気に入りのようで、フランス空軍型のジャガーA、イギリス空軍型のGR1/GR3に続く3番目のアイテムとなります。

 キットはクリアパーツを含め6枚のランナーとエッチング1枚から構成されています。基本的に既発売の単座型のキットの機首・コクピット部分を複座型に差し替えたものです。武装関連のランナーも同じものが付属しています。

2機分です。赤白青ってフランスと一緒って今気づいた
デカールは、テストパイロットスクール のトライカラーのほか、ダークシーグレー/ダークグリーン迷彩の2種類が付属しています。

 今回はテスト組みを行いながら、日本語版の説明書を作成してみました。オリジナルの説明におけるパーツ番号の誤り訂正のほか、組み立てのポイントなどを追記しています。

 弊社取り扱いの本商品には同梱されています。

日本語説明書の見本です。
皆様の趣味の時間がより楽しくなるための手助けとなれば、担当者としては最高の幸せです。是非お手にとってみてください。


  さて、キットの方ですが、単座型の発売当初のロットに比べると、わずかにバリが出ていますが相変わらず繊細なモールドは健在です。

 組み立てについては、他のキティホークのキットと同様、仮り組みとすりあわせをていねいにやれば問題はないようです。胴体パーツの成型が薄いためでしょうか、私の手元に届いた個体は若干の歪みがあったことから、ランナーを切り出したものを裏からあてて修正しました。

 歪みが無くとも胴体パーツの厚みが薄いことから後の作業を考慮して補強はしておいた方が良いと思います。
建て付けがー(^_^;
コクピット部分はいつもの様にエッチングがおごられており豪華です。コクピットと機首パーツとの合いがタイトなので、コクピット後席後方のバルクヘッドの縁と機首パーツの接着面付近をルーターで削って調整しました。


いつものようにエッチング付属です(^^)

 決してテールヘビーなキットではなく、説明書におもりのを入れる指示もありませんが、一応、釣り用の噛みつぶしを数個入れました。ジェット機ではこれやらないと落ち着かない気もしますな。「ちゃんと立て〜」のおまじないのような。
おもり少々

縛られてます。
次回に続きます。

2014年2月20日木曜日

ノースアメリカンT-6「テキサン」その1

みなさま、こんにちは。

 こちらは前回チラッとお見せしたとおり、T-6の寒干しも終わって(^^)、仮組に入っていきますね。


 T-6は弊社サイトにあるとおり、傑作練習機であることは飛行機ファンの皆様はご周知のとおりです。

 海上、航空自衛隊にも供与されたのですが、中古機を受領したことから十数年で退役を余儀なくされました。しかし、静岡県の浜松エアーパークや埼玉県の所沢航空発祥記念館には復元された機体が展示されているほか、静浜基地にはエンジン稼働状態の機体が現存しています。

 当時、パイロット学生としてT-6に向かい合った方のエッセイを読んだことがあるのですが、T-6は尾輪式による視界の悪さやグランドループ等、決してとっつきやすくはなかったということですが、ひとたび空に上がれば、その飛行性能はすばらしく、攻略し甲斐のある機体であったそうです。

 T-6は、供与が始まった昭和30年から約10年間にわたってパイロットたちを育てた後、飛行時間が少なく程度がよい24機が救難捜索機として残り、昭和44年まで現役にあったそうです。

 なお、退役した機体の一部は、映画「トラ!トラ!トラ!」において外観を旧海軍機のように改造され銀幕を飛び回りました。

 練習機としてのT-6は、国産初のジェット実用機である富士T-1に代替されたのですが、救難捜索機の後継としては三菱MU-2ではなくT-34が一時期、救難隊に配備されたようです。

 さて前置きはこのへんでキットについて見ていきましょう。
 
パーツは思ったより多くないです。
キットは、いつものキティホークと同じライトグレーで成型され、AからFまでの6枚のランナーと透明パーツ、シートベルトのエッチング及びデカール(大判2枚+小1枚)で構成されています。



 まず目につくのは、平べったい黒い箱でクリアーパーツが入っています。外国製キットはコンテナに詰め込まれ、遠路はるばる海を越えてやってくるので、破損防止の気遣いは助かりますね。

なんか豪華。
クリアーパーツをみると、大きく空白あいている部分がありますが、バージョン替えの予定があるのでしょうか。










 デカールは豪華版で、8機分が入っています。
国籍マークや機体番号のほか、機体のステンシル(注意書き)も機体ごとの違いを再現するため、複数が入っています。
 エッチングは、シートベルトのみと割り切っていますね。
チョー豪華!


さて、比較的小型の機体とはいえ、大スケールなのでちゃんと仮組をやっておきます。
細かいバリやゲートの出っ張りはあるものの、先回のSH-2に比べても合いは良くなっている印象を受けます。私の持っている個体は大パーツの歪みやソリもないようです。
機体とフィレットがピタリ。ホッとする瞬間(^-^)
機体上面のADF取り付け部分のパネルもきちんと合う。

  SH-2と同様、パーツの一部にヒケが見られます。特にプロペラは目立つのできちんと処理しておきましょう。
 
ロケット団じゃなかったロケット弾やガンポッドにもヒケが
さて、次回から組み立てに入っていきます。
今度は塗ろうかな。いや塗りたいな。欧州人のおじさんが濃いめレビューやっているので、なんか塗らずに組み立てるの申し訳ないという気になっています。
 
 で、こんなの使ってやろうかなと考えております。
ボトルはプラ製。顔料系でハッとする発色(ダジャレに非ず)

 なんせ、模型作るのもこのブログ書くのも全てダイニングテーブルの上(T.T)
 臭いは厳禁なのです。ライフカラーは、臭いがほとんど無い上に、エアブラシで使う分にも溶剤との割合等にシビアなところない点や、欧州製の塗料故の発色の良さが気に入っております。

 では、次回から塗装と組み立てやっていきます。
 実は32の飛行機作るのは、高校の時(30年程前)にやったレベルの雷電以来。
 キンチョーするなあ。

 



2014年2月11日火曜日

カマンSH-2F「シースプライト」その3

  数日放っていたら、足と羽が生えていました(^_^;
背景の塩コショウでダイニングってバレバレ
胴体までできちゃえば、あとは小物を組み立ててくっつけるだけです。

 しかし、私にとっては、このキットの「最難関」が待っていました。
 曳航式MAD(磁気探知機)にエッチングを漏斗型(!)に曲げてくっつけなくてはいけなかったのデス。
  
地味に痛い作業です。
7〜8年前に買った「マルチツール」というエッチング曲面加工ツールがあったので、その円錐型の部分を使ってゴム板の上で、小一時間グリグリやったところ、
 
何とか曲がってくれた。

 なんとか形になってくれました。終了後、右手親指にひよこサブレ型のマメができていました。いてー。

 このキットの説明書には、MADの他、増加燃料タンク(大・小)×各2、対潜魚雷×2を選んで取り付けるようになっています。
SH-2Fの得物一覧
 
 キットのキャビンには、対潜オペレーター席がオミットされているので「魚雷もなんだかなー」と思い、日本に展開している頃の写真から、比較的ポピュラーであったと思われる小さいほうの増加タンクをつけてみました。
 
ギャラクターの昆虫型メカっぽいな
魚雷を取り付ける際は、MADのパイロン(D5)が根元の部分で魚雷のパイロン(C44)と干渉するのでMADパイロンのほうを若干削って調整しました。
 また、MADパイロンの支持架(D30)は長めなので上部を0.8cmほど切りつめました。
この部品も含め、エンジンートランスミッション部(行程7 A-Aで示されています)は最後に胴体に接着した方が小物やドアの取り付けの際に邪魔になりません。
 
 ローター部は、簡単に組み上がります。テールローター基部の組み立てについて、説明書はテールローター軸受け部(F58)が表示されていません。F58は部品F59に接着します。
 テールランプ(GP20)の台となるF45の部品の向きに注意してください。テールブームに接着した際、テールランプが垂直になるように。
 
メインローターは、エンジンートランスミッション部の上の穴に差し込むだけですので、接着しないとふらふらしています。回転や取り外しをしたい方は、金属線で軸を仕込むとよいでしょう。また、ヘリコプターのキットにはありがちなのですが、ローターの「たわみ」は再現されていませんので、お湯などでローターに「たわみ」感をつけると実感が増します。
エッチングのワイパー着けるの忘れてました・・・σ(^◇^;)

 最後に不要部品と、書ききれなかった説明書の訂正についてまとめておきます。

 不要部品 
 C5,6,7,8,9,10,11,12,19,2025,26,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40
   D3,4,11,12,13,14,19,27,28
   E32,35,36,37,38,43,44
   F17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,38,52,53,61
   GP11,12,13
   PE14(4つのうち2つ),15(8つのうち4つ),11

 ○工程8:「GP12」は「GP19」の誤りです
 ○工程10:エンジン横のライト「A20」と「A21」はプラのライト部分を削り取って
       GP20,GP21と置き換えることが可能です。
 
 不要部品にマーベリックASMがあることから、出力・武装強化+近代化されたG型も発売されそうですね。
 
 塗装については、塗装指定では「ミッドナイトブルー」とあるのですが、当時は「エンジングレー」で塗装したものが多かったと思われます。しかしながら当時の写真を見ると、エンジングレーで塗られた機体の他、青っぽい色調のものも存在します。

 さて、次のお題は何にしましょうか。やっぱ、新発売のこれかなー。
 
離型剤の洗浄後、お風呂場乾燥される1/32 T-6(^^)