2015年1月25日日曜日

ロッキード・マーティン F-35C 「ライトニングⅡ」その2

ちょっと本業の方が多忙なため、更新が遅くなりました。

 さて、胴体を貼り合わせる前に、胴体下面に脚庫やウェポンベイを貼り付けていきます。

 右の通り、クリップで押さえてしっかり接着します。前脚、主脚ともになんの加工もなく後で接着が可能です。

 脚庫とウェポンベイを接着した後、エアインテークとエンジンを組み込みます。説明書にははっきりと書かれていないのですが、インテークリップを胴体に接着、その後エアインテークとインテークリップを接着した方がよいようです。エアインテークとインテークリップとの合いは悪くありません。インテーク前方の目立つところに押し出しピンのあとがあって目立ちますのでパテなどで処理してください。

DSIです。わかんないですね^.^;

実機のことを少し書かせていただくと、エアインテークの入り口すぐのところに「こぶ」がありますが、これはステルス機の特徴の一つであるDSI(Divertless Supersonic Inlet)と呼ばれるものです。これまでのインテークはF-15等に見られるとおり、境界層の悪影響を排除するため、境界層を分離する隔壁を設け、速度によって可変できるようにされていますが、これでは重量がかさむほか、ベーンは平面でレーダー波を大きく反射するためステルス性に悪影響をあたえます。DSIだと可動部分がなくとも境界層の影響を受けない他、大きなRCS(レーダー反射面積)源であるベーンに加え、これまたレーダー反射が大きいエンジンのコンプレッサーブレードを隠す効果も期待できるそうです。

 コクピット、エンジン、インテーク、インテークリップ、空中給油用プローブ取り付け部(プローブとその支柱は後で接着した方がよいでしょう) を胴体内側に接着したら、胴体を貼り合わせます。工程⑦で示されているコクピット後ろの「B40」は「B30」のまちがいです。この部品はキャノピーを閉じる場合にのみ、胴体側に接着します。開ける場合はキャノピーに接着します。
輪ゴムでがっちり固定しておきます
胴体は前回触れましたが、事後変形を修正しましたものの、上下ぴったりと言うわけにはいかず、通常のプラ用接着剤のほかに瞬間接着剤も併用してがっちり固定しました。

パテで埋めました。
固定している間に、各翼面やウェポンを組み立てました。各動翼、水平安定板、垂直安定板は、パーツ分割が中途はんぱな感じになっているので、パテなどでしっかり処理した方がよいでしょう。また左外側主翼の後縁部分(I19)にも湯回りが悪くパーツが欠けている部分がありますのでこちらもパテなどで埋めてください。また、外装にウェポンを搭載する方は主翼を組立いる前に隠し穴を開けるのを忘れないでください。

すき間埋めました。
 主翼は胴体の歪みの影響もあると思うのですが、胴体との取り付け部分に、すき間や段差が生じてしまいました。接着面に1mmプラ板を挟み接着、パテも使って修正しました。


 
 エンジンノズル回りのギザギザのステルス機っぽいパーツ(B13,14,23,24)は、ノズルの部分の曲線とのなじみがいまいちですが、折れやすいので気をつけてください。 サラサラタイプの接着剤で少しずつ柔らかくして、なじませるように接着しました。

F-35C得物一覧
ウェポンは、AMRAAM、AIM-9X、GBU-12/31/31B/38が付属しています。どれもよくできており、デカールも付属しています。ウェパン回りでは以下の部品番号に誤りがあります。
・GBU-31BのテイルフィンはC14とC15が逆になっています。
・内翼部分用のパイロン×4はF12+G12、F13+G11、F22+G9、F23+G10の組み合わせで組みたてて下さい。
・外翼のサイドワインダー用パイロンの取り付け基部は左翼:F27、右翼:F28です。
  AMRAAMやサイドワインダーはロケットモーター噴射口に穴を開けるだけでも雰囲気がよくなります。

小さいエッチング。なくさないように気をつけて。
最後にキャノピー周りを組み立てます。エッチングを多数使用するのですが、一部のパーツはクリアパーツに直接接着するので注意してください。私はウェーブの低白化タイプを使いました。

 実機写真をよく見てみるとキャノピー周辺のロック用ラッチは認められる機体とそうではない機体が存在します。これは実機とモックアップとの違いの他、展示時の保護のためコックピット周辺に保護用のゴム板みたいなものをおいているみたいですね。

 キャノピーは先端を機首上部に接着、計器板のバイザーから伸びるエッチングの支柱で支えますが、接着面積が足りないので、キャノピー先端付近にプラ板などベロをつけてあげるとよいと思います。

 ステルス機ははじめて形にしたのですが、意外とかっこいいですね。

 最新鋭機だからでしょうか、意外と資料に乏しい機体です。
日本語だとイカロス出版のムック本があります。今時の飛行機だし、ウェブの方が情報が転がっているのかもしれません。
JSFホームページ
F-35ライトニングⅡホームページ


2015年1月4日日曜日

ロッキード・マーティン F-35C 「ライトニングⅡ」その1

皆様、ご無沙汰してしまいました。
長いこと更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

 本日は、発売されてから時間がたってしまいましたが、あまり模型雑誌などにも取り扱われていないキティホークのF-35Cについてお送りします。

本キットは、キティホーク社3作目のF-35シリーズで、実機でもC型は最新型となります。パーツのおおむね半分は既発売のA型及びB型と共通となっていますが、胴体、増積された各翼面、強化された脚などを中心に新規パーツとなっています。 また、デカールは海軍VFA-101配備機等4機分、エンジンやキャノピー周り等に使用するエッチングパーツが付属しています。
デカールとエッチングです。

 キティホークのF-35シリーズにおいては何れも共通なのですが、コクピットのほか、前/主脚、脚庫、エンジン、ウェポン・ベイなどを組んだ後、これらを下部胴体パーツに接着、その後上部胴体パーツを貼り合わせます。以前紹介したジャギュアのような「具」が少なく、胴体の形状が単純な機体の場合、胴体パーツにある程度の歪みがあっても、プラ材で梁を入れたり無理矢理に接着したりと、形状の修正を行わずとも何とかなるのですが、F-35は平べったい胴体に大きなウェポン・ベイやエンジン、インテークダクトも内蔵するため、上下胴体パーツの勘合は重要になります。
向かって右下側にねじれてます(´д`)

 離型剤を中性洗剤(マジックリン+お風呂の残り湯を使ってます)できれいに落としてから見てみると、私が入手したものは下部胴体が大きく歪んでしまっていました(事後変形というやつですね)。最初はねじれているだけかと思っていたのですが、仮組みしながら確認すると左右の主翼基部も曲がっているようです。プラは比較的柔らかいのですが、変形が大きいため、ドライヤーで修正しました。
 まず、修正すべき箇所をよく確認した後、平たい板にパーツを置き、テープで形を正しい方向に固定し、修正したい部分に少しずつ力を加えながらドライヤーでゆっくり暖めていきます。テープは耐熱性のあるものがよいでしょう(ドライヤーで熱している最中に剥がれてしまいます)。
ゆっくりやってください。

  何とかねじれは解消したものの、熱しすぎてしまったようで、機首付け根の細い部分がほんのわずかですが変形してしまいました。歪みを修正する方法としては、お湯を使う方法(ヤカンの湯気で熱したり、沸騰しない程度に熱めのお湯で手曲げ)もありますが、何れにせよ慎重に、くれぐれも自己責任にて行ってください。

 では、組み立てにはいります。
裏を削ってください。
まずはコクピットから。シートなどは大きな問題はありませんが、正面の計器板というかディスプレイ(B10)とフード(B9)はそのままですとB10の位置がシートに干渉して組み上がりません。B10及びB9の裏側を削ってB10の位置を後ろ(B9の奥寄り)に修正してください。また、メインディスプレイ下部のパネルもいったん切り離して接着し直したほうがよいです。

B9とB10の位置はこんな感じ

 
 コクピットの塗り分け指示が「シート黒、その他グレー」みたいな指示になっていますが、実機は黒とグレーで、要所に赤や黄色となっています。特に黒い部分は材質によりトーンに差がありますので、写真を参考塗り分けてみるとよいでしょう。
 説明書にはありませんがパイロットのフィギュアも付属していますのでお好みでどうぞ。

 コクピットの後は、前脚・前脚庫、ウェポン・ベイ、テイルフック・同収納部、主脚・主脚庫、エンジンを組み立てていきます。特に問題もなくスラスラと進みますが、キティホークのF-35シリーズは同社でも初期に開発されたシリーズで、ダボの大きさの不一致や接着する部分にディティールが干渉するといった箇所が見受けられます。すりあわせや仮組みをきちんと行ったください。
 ウェポン・ベイの工程③のところで円筒形のパーツ(右側:B33 左側:B34)を取り付けますが、説明書にあるようなダボはウェポン・ベイ側にはついていません。私はB33とB34の接着部を平らに削って接着しています。
具はとりあえず完成(^_^;
次回は胴体を貼り合わせて完成させたいと思います。
 

2014年6月27日金曜日

マクダネル・ダグラス F-101A/C「ブードゥー」その2

 梅雨の長雨どころか、ゲリラ豪雨で地域によっては大変なことになっていますが、皆様お住まいの地域は大丈夫でしょうか。

   F-101の続きです。

 さて、「さばの輪切り」の機首部分につづいて胴体、翼と組んでいくわけですが、今回のF-101にはエンジン本体のパーツは同梱されていませんが、コンプレッサーファン、ノズルはキッチリ胴体に組み込むようになっています。


 例のごとく、ノズル部分はエッチングを丸めて組むようになっています。
 
これが、
こうなって、
ノズル完成です。

 丸める作業自体は簡単です。ディティールのある部分が外側になるように丸棒で丸めますが、後で折り返す突起(ベーンを動かすアクチュエーターでしょうか)の部分が折れないよう丁寧に作業してください。
 なお、説明書の工程9(ノズルの組み立て図)の部品番号「上:B41」と「下:B36」は誤りです。正しくは上がB36、下がB41です。
   
 翼の部分は、主脚とその収納庫を組み込んでから上下を貼り合わせるようになっています。やや複雑ですが、この部分の合いは悪くはありませんので慎重に仮組を行ってください。主脚のホイール部分は半分が脚柱と一体となっています。車輪をはめる際はよくすりあわせてください。私はきつめのまま押し込んだところ、接着剤を流したとたん、車輪が割れてしまいました。

 今回は便利グッズとして、カ○ンズホームで見つけたプラ製のクリップで固定、乾燥させました。小さいサイズのもので、50円ちょっととお安いのでおすすめします。製品によってバネの強さにばらつきがあるようですので、やや強めのものを選ぶとよいでしょう。
固定〜。

 主翼、フラップの後縁は厚みが気になる方は薄く削ってください。

後縁はやや厚め
インテークベーンの内側(胴体との隙間の部分)にエッチングでベーン固定用のエッチングの小パーツ(PE1〜7)を取り付けるようになっていますが、小さく接着部分も少ないため、私は作業中にぽろぽろ落としてしまいました。ここは翼を胴体に組み付け後に取り付けた方がよいでしょう。また、この部分のエッチングは部品の長さが若干短めなようですので、プラ板等で代替したほうがよいかもしれません。

 胴体と翼の接合に特に問題はありません。

 尾翼部分(C16及びC18)は胴体との合いがいまいちです。マクダネル特有のテールブーム部分(B5,B8,B10)は工程7では取り付けず、工程14で尾翼、胴体、テールブームを調整しながら接着した方がスムースに作業できると思います。

 エアブレーキは、ヒケがひどいのでパテで埋めてください。


真鍮線で串うち
増加タンクの取り付けは、接着位置がはっきりしていませんので、私は実機写真を参考にするとともに、タンク側に真鍮線を打って固定しました。

 なお、本キットにはAIM-4空対空ミサイルが付属していますが、F-101A/C型においては搭載及び発射試験は実施されたものの部隊において運用はなされなかったようです。

 完成するとでかいです。スパンはともかく、全長はF-4とほとんど変わりません。
 
 独特のテールブームやサイズからくるものなのか、F-4へと続くデザインが見えるような気がしますね。
 
 不要パーツ(GP3〜5)を見てみると、A/C型ベースに改修を加えた偵察型G/H型も発売されるのでしょうか。パーツの構成からはRFや要撃型のB型も期待できそうです。

  
でかくて、長くてかっこいいです。
資料は世界の傑作機Vol.101(^^)「F-101ブードゥー」、Detail & ScaleのVol.21、Modern Military AircraftのVol.5002等、いろいろありますね。

 
 

  
 


 
 







 

2014年6月5日木曜日

マクダネル・ダグラス F-101A/C 「ブードゥー」その1

 みなさま、暑い日が続いていますが模型作っていますか?
「おまえに言われたくないわ」と言われそうですが、私はボチボチやってます。

 今回はキティホークのバリバリの新製品「F-101A/C ブードゥー」に手をつけているのでご紹介したいと思います。

来ちゃったよ、初ホビーショーだよ。
その前に、今更ですが「静岡ホビーショー2014」に行って参りましたので、その話題を少し。

 新製品情報などは各模型誌の方で詳しくご紹介されますでしょうから、そちらをご参照ください。

 各社、たくさんの新製品を並べているのはもちろんなのですが、業者招待日はともかく、一般公開日はとにかく人が多く、一緒に行った友人は「初日はまあこれだけど、2日目はたいしたことないから」と言っていたものの、一般公開日2日目も初日に勝るとも劣らぬ人出!
 
艦コレ盛り上がってますなー。
地元のタクシーの運転手さんも「今年は異常だね」とおっしゃるくらいのお客様で、図らずも景気回復の一端を垣間見た様な気になりました。

 私はもちろん弊社のフリマという業務で赴きましたので、あまり各社のブースも合同展も見て回ることはできませんでしたが、フリマでたくさんのお客様にお会いし、お話をうかがうことができたことが最大の収穫でした。

  
さすが静岡、おでん屋さんにもタミヤのロゴが。
赤いシャツはうちの社長です。


 また、夜は物産豊富な静岡で美味しいものをたくさんいただきました。
 初日の夜に寄らせていただいたおでん屋さんでは、模型びいきの店員さんに加え、ホビーショーのために遠く北陸、茨城から来られていた方達にお声をかけていただき、楽しいひとときを過ごすことができました。

 ご来店してくださった皆様、お声をかけていただいた皆様、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

ぜかきゆちゃんだ!

飛行機blogなので空母も。かがさんです。




 さて、本題のF-101ですが、これまで有名なところではハセガワの1/72のRF-101、モノグラムの1/48のB型が長らく名作とされてきたようですが、今回のA型、C型は初の本格的なインジェクションキット化と思われます。

 キットは、 グレーで成型された6枚のランナーとクリアーパーツ×1に加えて大小各1枚のデカール、いつものエッチングとい
いつもの大判デカールとエッチング
う構成です。


 機首部と胴体部を別のランナーとするパーツの構成から、B型やRFの発売も期待できそうです。



 さて、今回は説明書に17コマある 作業工程中、5コマ目までの機首部分について説明していきます。

 いつも通り、コクピットから組み立てていきますが、まずシートのヘッドレストの後ろにある射出用レール(と思われます。E25)を忘れないでください。

エッチング+デカールにて表現
計器板の表現は、今回はサイドコンソールはデカールまたはエッチングの選択式、メインの計器板はエッチングにデカールを貼り付ける様指定されています。そこでサイドコンソールもエッチングパーツにデカールを貼り付けてみました。
 
 これまでのミラージュやジャギュアにおけるエッチングのみによる表現に比べて手軽です。物足りない方は、デカール等を参考にスイッチ、セレクターノブなどを追加されるとよりリアルになります。

 前脚はハウジングとともに組んでコクピットと結合、機首左右パーツで挟み込むというキティホークのいつもの構成ですが、今回のF-101では後はめできそうです。
 前脚パーツのE53の中央左右についているのはランディングライトの基部ですので間違って切り取らない様に注意してください。また、オレオの上側(E5)はゲートが大きいので部品を破損しないよう丁寧に切り取ってください。

 機首上部の空中給油プローブは、開閉選択式となりますが閉状態に組まれる方はプローブのパーツ(B18)は不要です。
  また、機首下面のピトー管(A8)は折れやすいので最後に接着したほうがよいでしょう。

 レドーム内にはFCS(火器管制システム)のレーダーアンテナがパーツ化されています。
 レドーム閉状態で組まれる方は、部品E17は取り付けないようにしてください。レドームの合いはわずかに段差ができますので、私はレドームの縁の部分を削って調整しました。

 M4 20mm機関砲の砲口パーツ(A1,A2,A6,A7)は合いがいまいちです。ここに段差があると非常に目立つので 少しずつ削りあわせてください。特に下側(A6,A7)は調整が必要です。
すいません。まだ鯖の輪切り状態です。

 今回はこの辺で。



2014年5月6日火曜日

ノースアメリカンT-6「テキサン」その2

みなさま、こんにちは。

 G.Wはどのようにお過ごしになったでしょうか?
私はずっと仕事で、その合間にT-6の組み立てを進めておりました。

 このキットも、まずはコクピットから組み立てていきます。

 さすがにスケールが1/32とあって、コクピットだけで50以上のパーツから構成されています。

 まず、操縦桿を通常のグリップのものか、円形のものかを選択します。円形のものは英国版の「ハーバード」用の操縦桿のようで、キットの塗装例ではカナダ空軍、南アフリカ空軍、英国空軍の機体に適用されるようです。

 フットペダル(部品D16,15,49,50で構成される≪D-D≫)は部品の接着の向きに注意してください。私はフットペダルの前後を結ぶリンクバーD15とD16をペダルの軸の方に接着してしまい、操縦席フレーム(≪B-B≫、≪C-C≫、≪E-E≫)を接着する際に気づいて切り離して再接着となってしまいました。

 塗装は基本的にインテリアグリーン(ライフカラー番号:UA004 今回は基本的にライフカラーにて塗装しています)で行っています。細部の塗り分けについては説明書におおむね指示されていますが、写真等を見てみると、機体により差違があるようです。またレストア機による違いもあるようですね。今回は、計器板、同バイザー(D26)、ロールバー(D28,29)等を黒(ディープコクピット 番号:UA735 ジャーマングレーをさらに暗くした様な色。ライフカラー「Black」セットに同梱)で、レバーのノブをレッド(LC06)、イエロー(LC03)、右側コンソール(F19)のスイッチ類をホワイト(LC01)で塗りわけました。乾燥後、エナメル系のブラウンを薄めたものでシャドーを入れ、タミヤのウェザリングマスターのP-51用にあったライトグリーンのペーストでハイライトを入れました。また、シルバーでシートや床面にシルバーのはげチョロを入れてみました。

 説明書にはシートベルトの取り付け指示がありませんが、エッチングのものが付属しているので使用しています。クレオスのメタルプライマーを塗布、乾燥させた後、ライトストーン(UA107)でベルト全体を塗装、ベルト中央に走るステッチをフレンチブラウン(UA143)で、金具類をグロスシルバー(LC74)で 塗りわけた後にシートに接着しました。

ピンぼけですがデカールは密着しています。
計器板は、説明書においてはデカール表現とされていますが、腕に覚えのある方はきれいなモールドを活かした塗装仕上げもよいでしょう。デカールは貼りやすいものが付属していますが、モールドが多いためデカール軟化剤を使用しています。

 次にエンジンです。
 
 コクピット同様、エンジンについても補機類やエキゾースト等が再現されています。エンジン本体、クランクケース/プッシュロッド(A7)についてはやや勘合が悪いのですりあわせを丁寧に行った方がよいでしょう。

 エンジンの塗装については、グロスシルバーで本体、グロスガンメタル(LC74)でプッシュロッド、クランクケースをフレンチブルーグレイ(UA141。指定のFS15044は若干暗いと感じたので)で塗装した後、プラグコードをサテンブラック(LC72)、で塗り分け、エナメルのダークブラウン(今回はAKインタラクティブのWASH DARK BROWNを使ってみました)でディティールを際立たせました。
AK便利です。
エキゾーストは長短2種類のものから選択するようになっていますが、私は短いものを選択しました。長いものははっきりとはわからなかったのですが、カナダ空軍仕様のレストア機に装着されていた写真がありました。

  また、エキゾーストの接着位置は小さくわかりにくいと思われるので、仮組を充分に行ってください。エンジンを支える支持架(A24〜27)は細いため取り扱いには注意してください。私は2回も折ってしまいました (T.T)。エンジン支持架(板?)のA14,15,F38は、エンジン側の部分がカウリングに干渉するので、すりあわせした方がよいでしょう。
黒く塗った部分(A14,15。下面のF38も。)を削るとよいです。
エキゾーストの塗装は、バーントブラック(UA736 黒に近い焦げ茶。ライフカラー「Black」セットに同梱)で塗装後、ウェザリングマスターDセットのバーントレッドや同Cセットのガンメタル等で仕上げました。

縛られ中。見えなくなるところは塗ってません(^_^;
  なんとか、胴体を貼り合わせるところまでこぎ着けました。  コクピットやエンジン部と胴体の合いは良好です。ランナーを見てみるとずいぶんとパーツの残りが少なくなっています。武装関連のランナーは別として、パーツの大半がエンジンとコクピット周辺なのです。

 次回、組み立ては完了する予定です。

 


2014年3月27日木曜日

SEPECAT「ジャガー T.2/T.4」その2(訂正あり(^_^;))

 ジャガー、できました。
背景の格納庫は桃カステラの箱

 このキットの最大のポイントは、後部胴体パーツ(A1,A2)の合わせです。

 キットがお手元にある方や、先に発売された単座型を組まれた方はおわかりになると思いますが、後部胴体パーツを正確に合わせないと、胴体前部との勘合が悪くなるだけでなく、脚格納庫(パーツH9,I5,J19,H10,I6,J20)が組み込みにくくなります。また、エンジンカバー(G3,G4)の合いも悪くなります。

 後部胴体パーツは、その形状に基因する歪みがみられるので、先回紹介した様にプラ棒等で補強材を組み込んで修正、接着した際に胴体下面が面一になるようにしてください。修正の作業そのものは簡単です。同じ長さに切り出したプラ棒を柱として胴体パーツの内側にかませるだけです。歪みが無くても、接着面積を考慮すると補強は必須でしょう。

 私はこの辺りをおろそかにしてしまい、後部胴体の下面に段差が生じた上に、エンジンカバーの合いが悪くなってしまい、充分な修正ができませんでした。
 逆にいうと、後部胴体さえしっかり組めれば、修正作業も最小となると思います。

  エンジンカバー(G3,G4)は裏面に型抜きダボがあったり、厚めなのでよくすりあわせを行ってください。

 エッチングは非常に効果的です。特徴あるアドーア・エンジンのアイリス板(PE6,PE7)も丸めてノズルの中に押し込むだけです。説明書には、丸めた後でアイリスを曲げる様に指示されていますが、丸めてそのままノズル(パーツG20)に入れるだけで良い感じに内側に密着してくれます。(以下のパラグラフが訂正部分です)

 と書いたものの、後ですぐに気づいたのですが、これではアフターバーナー全開時のノズルになってしまいます。駐機状態でアイリスは閉じていますので、エッチングを丸めた後、ノズルのパーツに組み込む前にアイリスの部分を互い違いに曲げてください。これをノズルに入れるとできあがりです。
 実機の状況について確認不足でした。この点について、当blogをお読みくださった方々を混乱させてしまったのではないかと猛省しております。

アイリスを互い違いに曲げて・・・
ノズルに入れるとできあがり。

 各種アンテナ類もエッチングパーツとなっているのですが、一部のパーツ(PE15,PE27)は、接着面が少ないのでPカッターなどでプラパーツ側の接着面をけがいてから接着するとよいでしょう。

本当は地上でスポイラーは立ってません。
主翼の横操縦用のスポイラー、境界層制御板もエッチングです。こちらはガイドがしっかりしており接着は簡単です。なお、なお翼の前後縁フラップはダウン状態がデフォルトになっています。なお、AAMを装備したい方は境界層制御板(PE17)は取り付けないようにしてください。その他の対地兵器等を装備する際は主翼下面パーツ(H1,H2)を接着する前にパイロン用の穴を開けるのを忘れないでください。

 練習機型の本機は、機関砲は左舷に1門のみの装備ですので、右側の機関砲点検パネル(I24)は閉じた方がよいでしょう。

不整地飛行場用の立派な御御足
  脚周りも細かいパーツ割り(片側でパーツ数11)で再現されていますが、強度は充分です。また、細いステー類(前脚I40,I43,I47,I62,I63等)が多数ありますが、接着する場所が今ひとつ明確でないので、仮組を充分に行ってください。脚は大型で目立つ部分でもありますので、シャープさを目指す方は金属線で作り直すとグッドです。
  キャノピーは適度に薄く、透明度も高いものが付属しています。前後席ともにエッチングのバックミラーがついています。光学照準器の形状(J45,B21)は良いのですが、リフレクター(GP7,GP8)が若干厚いので薄く削るか、透明プラ板で作り直すとよいでしょう。
 なお、機首側面にあるピトー管(I61)は左右に取り付ける様になっていますが、パーツが一つしか付属しておりませんので、気になる方は自作してください。

 本キットは、飛行機モデル初心者の方には、工作が難しい部分もあるかもしれませんが、完成すると非常に実感の高いものとなります。普段から精力的に制作されているモデラーの皆様はもちろん、中級を目指す方たちにとってはステップアップのよい教材となるでしょう!

 ぜひ、お手にとってみてください。

※資料
 Aeroguide Vol.2 SEPECAT Jaguar GR Mk.1
 In Action 1197 SEPECAT Jaguar
 ぐらいでしょうか。意外と資料に乏しい機体です。


※不要パーツ
 B28,EE9,10,E16-19,E26-35,E40-43,F1,F2-4,F7,F8,F11,F12,F13,F15-24,F41,
G11,G12,G14,G17,G24,G25,I22,I23,J33,J43,J46



2014年3月15日土曜日

SEPECAT「ジャガー T.2/T.4」その1


皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 しばらく更新を怠ってしまい、当blogを訪問してくださった方たちにはご迷惑をおかけしました。

 さて、本日はキティホークから新発売の1/48 SPECAT ジャガー T.1/T.4をご紹介します。
 
 このトライカラーのイカした練習機は、ジャガーの英空軍練習機型です。実機は73年に配備が開始され、20数年の長きにわたって運用されましたが、2006年までには全機が退役しました。

 キティホークは、この機体がお気に入りのようで、フランス空軍型のジャガーA、イギリス空軍型のGR1/GR3に続く3番目のアイテムとなります。

 キットはクリアパーツを含め6枚のランナーとエッチング1枚から構成されています。基本的に既発売の単座型のキットの機首・コクピット部分を複座型に差し替えたものです。武装関連のランナーも同じものが付属しています。

2機分です。赤白青ってフランスと一緒って今気づいた
デカールは、テストパイロットスクール のトライカラーのほか、ダークシーグレー/ダークグリーン迷彩の2種類が付属しています。

 今回はテスト組みを行いながら、日本語版の説明書を作成してみました。オリジナルの説明におけるパーツ番号の誤り訂正のほか、組み立てのポイントなどを追記しています。

 弊社取り扱いの本商品には同梱されています。

日本語説明書の見本です。
皆様の趣味の時間がより楽しくなるための手助けとなれば、担当者としては最高の幸せです。是非お手にとってみてください。


  さて、キットの方ですが、単座型の発売当初のロットに比べると、わずかにバリが出ていますが相変わらず繊細なモールドは健在です。

 組み立てについては、他のキティホークのキットと同様、仮り組みとすりあわせをていねいにやれば問題はないようです。胴体パーツの成型が薄いためでしょうか、私の手元に届いた個体は若干の歪みがあったことから、ランナーを切り出したものを裏からあてて修正しました。

 歪みが無くとも胴体パーツの厚みが薄いことから後の作業を考慮して補強はしておいた方が良いと思います。
建て付けがー(^_^;
コクピット部分はいつもの様にエッチングがおごられており豪華です。コクピットと機首パーツとの合いがタイトなので、コクピット後席後方のバルクヘッドの縁と機首パーツの接着面付近をルーターで削って調整しました。


いつものようにエッチング付属です(^^)

 決してテールヘビーなキットではなく、説明書におもりのを入れる指示もありませんが、一応、釣り用の噛みつぶしを数個入れました。ジェット機ではこれやらないと落ち着かない気もしますな。「ちゃんと立て〜」のおまじないのような。
おもり少々

縛られてます。
次回に続きます。